前立腺がんの治療には非常にたくさんの選択肢がありますが、病院や医師がその選択肢を持っていなければ何の意味もありません。
前立腺は泌尿器と密接な関係があるため、泌尿器科があることはもちろんのこと、治療中や治療後の不測の事態に備えて総合病院を選んでおくことが望ましいといえます。
また、どんなに大きな総合病院であっても前立腺がんの治療実績が少なかったり、治療法に偏りがある場合も注意が必要です。特にその病院が前立腺がんの年間治療例をどれくらい持っているかで、病院や医師の治療に対する熟練度がわかります。
年間10〜20件程度では安心できるとは言えず、最低でも40〜50件以上の例数がある病院を選ぶべきです。その病院での年間治療例数はホームページで確認できるところもあり、わからない場合は担当医や窓口で聞いてみることをお勧めします。
近年のガン治療では放射線治療の進歩が目覚ましく、治療効果でも大きな役割を果たしています。しかし、最新の放射線治療を受けられる病院は限られており、場合によっては古い装置しか持っていない場合もあります。
粒子線治療といった最新治療の場合、建設費用も莫大であるため、日本の中でも受けられる施設はわずかしかありません。
前立腺がんの治療において放射線治療は重要であり、放射線治療の専門医が病院にいることはもちろんのこと、外部照射や内部照射(ブラキセラピーなど)の療法に対応していること、放射線治療の高度な治療計画を立てられるコンピュータ設備があることなどが、病院を選ぶ際のポイントとなります。