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前立腺がんは早期発見・早期治療が大切です。前立腺がんの原因、症状、検査、治療を知っておきましょう!

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効率的に照射できる3D-CRT
治療時間が患者の負担になりやすい

目次


CTで癌を正確に捉えて照射する


 放射線治療はいかに癌組織に対して正確かつ集中して放射線を当てるかがポイントであり、多方向から放射線を照射したり、患者の体を固定するなど日々技術改良が行われてきました。

 しかしながら、X線を用いた従来の二次元照射では癌組織以外への放射線の影響を考慮し、総線量で66Gy以上照射することができず、前立腺癌の治療に必要な放射線量を照射することができていませんでした。

 この問題を克服するために開発されたのが3D-CRTと呼ばれる外部照射療法であり、三次元原体照射とも呼ばれます。3D-CRTはCT(コンピュータ断層撮影)によって前立腺の断層写真を撮影し、それをもとにコンピュータを使って治療計画を立てる治療法です。

 これによって前立腺内の照射する部位がはっきりわかるため、従来の照射法よりも多方向から正確に放射線を当たることができるようになりました。また、照射による合併症を軽減するため、周囲の直腸や膀胱を避けるように照射したり、逆に前立腺周辺への転移を疑って周辺組織への照射を行ったりすることができます。


外部照射は治療時間が負担となる


 一般的な二次元照射の総線量66Gyに対して、3D-CRTでは74Gyの照射が可能です。しかし、正常細胞に与えるダメージの回復を考慮して1日あたりの照射量を2Gyとし、1日1回、月から金まで計37回も放射線照射を受ける必要があります。

 外部照射は通院によって行い、1回あたりの照射にかかる時間も短いものの、通院時間や照射前の準備時間を考えると、照射にかかる時間は患者にとって負担となります。そのため、外部照射は時間に余裕のある患者しか受ける事ができません。

 また、3D-CRTは従来の二次元照射に比べて合併症が少ないという特徴がありますが、決して合併症がないわけではありません。代表的な合併症としては、治療期間中に現れる頻尿などの排尿障害や、直腸へのダメージによって起こる便意の異常、排便時の痛みなどがあります。通常、放射線照射による合併症は治療後1〜2か月で回復する傾向にあります。

照射量の不足を補うホルモン療法


 一般的な二次元照射の総線量が66Gyであるのに対し、3D-CRTの総線量は74Gyであり、従来の放射線療法に比べれば強い線量を照射できるようになりました。しかし、それでも前立腺癌の治療に必要な線量には達していないと言わざるを得ません。

 そのため、現在では放射線療法だけでなくホルモン療法を併用した治療も行われるようになっており、この併用療法によって治療効果が上がっているという報告が、日本のみならず海外も含めてあります。併用療法では放射線療法が終わった後もホルモン療法を続けます。

 ただし、ホルモン療法は全身への副作用が起きやすく、長期間ホルモン療法を続ける事は費用面も含めてお勧めしません。長期に及ぶホルモン療法を避けられる治療の選択肢がある場合は、その後の治療法について検討することをお勧めします。



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