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前立腺がんは早期の発見と治療が大切です。原因、症状、検査、治療を知っておきましょう|メディカルアーカイブ

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IMRTはどのような治療法か
高度な技術と経験が必要

目次


IMRTは治療後の合併症が少ない


 IMRT(強度変調放射線療法)は3D-CRTをより改良した放射線療法で、基本的な考え方は3D-CRTと変わりませんが、照射する放射線の強さを変えられる(変調)のが最大の特徴です。

 前立腺癌に対して放射線療法を行うと、癌組織だけでなく尿道や直腸にも放射線が照射されてしまうため、治療中や治療後に排尿や排便痛などの合併症を起こしやすくなります。

 IMRTは120枚の金属板をコンピュータ制御することで、放射線の強度を秒単位で調節することができるため、癌の形状に合わせて照射したり、正常な組織を避けるように照射することができます。

 それにより、従来よりも前立腺と精嚢に絞り込んで強い照射ができる反面、正常組織への照射を減らし、放射線療法による合併症の発生を少なくすることができます。


IMRTは高度な技術と経験が求められる


 IMRTが適応となるのは前立腺癌初期の局所限局がんから浸潤がん(転移がない)までで、リンパ節転移や遠隔転移が認められる場合は治療の対象とはなりません。

 IMRTは2008年から健康保険が適用されるようになり、治療が受けられる病院も増えてきました。今や前立腺癌における外部放射線療法の代表的な治療法と言えますが、導入コストが高額であるために十分な数の治療施設があるとは言えません。

 また、IMRTを用いて治療に必要な放射線量を照射するためには、非常に高度な技術と経験が必要となり、IMRTを導入している病院間でも治療技術に差があるのが現状です。治療を受ける際は、治療実績が豊富な病院を選ぶことをお勧めします。



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